幻のバターと呼ばれている「なかほら牧場ピュアグラスフェッドバター」は、パッケージデザインが可愛くて、とてもセンスが良いけど、本当に美味しいの? と思っていました。ぼくは自分がデザイナーをやっているくせに、食品のパッケージデザインに対しては、良さげに見せてごまかそうとしても騙されないぞ!という風に、変に身構えてしまうのです。それと、2年前にバターコーヒーダイエットというのが流行った時に、ネットでグラスフェッドバターを買ったのですが、なんか後味が悪くて、グラスフェッドバターそのものに良い印象がなかったということもあります。
届いてすぐに、トーストにたっぷり塗って食べました。食塩不使用だけど、どうなんだろうと一口食べたら、なんとも芳醇な香りで美味しい〜。食パン自体も、近所の美味しいパン屋さんのものではあるものの、そのパンの実力以上に美味しく感じました。このバターがパンの旨味を引き出しているんでしょうね。かなり前ですが、京都の老舗旅館に泊まったときに、朝食は和食と洋食が選べたので、洋食にしたときに出てきたトーストが、ものすごく美味しかったのですが、その香りと味が蘇りました。
家にお客さんが来たときに、バターのことは何も言わずに焼き立てのパンに塗って出したらビックリするんじゃないかなぁ。
パンだけでなく、ご飯にも合いますね。とうもろこしご飯にこのバターをのっけてご飯の温かさで溶けたところを口の中に入れたときの至福感ったらすごかったです。
秋山具義アートディレクター
1966年秋葉原生まれ。日本大学芸術学部卒業後、株式会社I&S(現I&S/BBDO)入社。1999年テイリーフレッシュ設立。主な仕事に、TOYOTA「もっとよくしよう。」、東洋水産「マルちゃん正麺」広告・パッケージデサイン、日本フェンシング協会新国章デザイン、AKB48「ヘビーローテーション」CDジャケットテサインなと多数。2015年にオープンしたイタリアンバル、中目黒『MARTE』(『ミシュランガイド東京2017』のビブグルマンに選出)のプロデュースも手掛ける。2016年より「食ベログ」グルメ著名人として活動。「文春マルシェ」のロゴデザインも手掛ける。