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お取り寄せの背景に
広がる物語を楽しむ
門上武司
フードコラムニスト

旅を続けている。
出かける前に、その「地名」と「自家焙煎」というキイワードを打つと数軒の珈琲店が見つかる。どの店を選ぶかは勘に頼るしかない。結構大当たりがある。
珈琲を飲むことが目的だが、ついついマスターと珈琲から始まり、時にはカウンターカルチャーの話題に広がり、長居をしてしまうこともしばしば。
そこで出会った珈琲の味わいが忘れられなくて、しばらくするとその珈琲店に連絡をし、豆を送ってもらう。基本は深煎りを好む。
豆が到着する。豆を挽く。ドリップでじっくり抽出する。味わうと、その場で話したことやその地の様子が浮かんでくる。つまり、その珈琲を飲むことで旅の想い出がくっきりよみがえる。その後、何度も豆を取り寄せ、定期的にその地に旅をしたり、マスターが関西遠征の時のガイド役を務めることもある。
まさに珈琲を媒介として新たなネットワークが生まれる。

珈琲をドリップで抽出する

僕たちは、日常の食生活を豊かにするために取り寄せを楽しむ。
しかし、考えればその食品の背景に広がる物語を楽しんでいることが多い。
今回取り寄せた「笹ちまき 豚角煮」。豚の角煮のルーツは中国の東坡肉と言われることが多い。また角煮は長崎の卓袱料理の一つだとも言われる。京都にも卓袱料理を手本として京料理を組み立てた料理屋がある。大御所の料理人が「長崎から入ってきた東坡肉が京都で角煮として完成した」と話したことを思い出していた。

中国料理の東坡肉

そんな歴史を思い浮かべながら「笹ちまき 豚角煮」を食べていると、もち米の一粒ひとつぶに染み込んだタレの濃厚な味わいと、豚の分厚い角煮の融合がじつに楽しく、味わいだけでなく、そこから様々なエピソードや思いが繋がって行くのであった。

笹ちまき 豚角煮 12個

取り寄せには数多の物語が付随しているのだ。

門上武司

profile

門上武司フードコラムニスト

1952年大阪生まれ。フードコラムニスト。株式会社ジオード代表取締役。関西の食雑誌『あまから手帖』の編集顧問を務めるかたわら、執筆、編集業務を中心に、プロデューサーとして活動。「関西の食ならこの男に聞け」と評判高く、テレビ、雑誌等のメディアにて発言も多い。著書に、『門上武司の僕を呼ぶ料理店』(クリエテ関西)、『スローフードな宿』(木楽舎)等。

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