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東京から軽井沢に移住、
彼の地で味わう全国の美味
山本憲資
Sumally Founder & CEO

この夏から、仕事もリモートワークがほとんどになったこともあり、軽井沢に拠点を移した。森の中での暮らしできのこや山菜などの山の幸を存分に楽しめるのも幸せなことではあれど、時々に海の幸も恋しくなるのがこれまた人の性である。

そこで文春マルシェで取り扱っている『北海道産いくら醤油漬』を取り寄せた。吉崎さんという北海道の海産物を長年取り扱われている目利きのプロが、選りすぐった粒のものを無添加の醤油だけで漬けたというこのいくら。
文春マルシェのバイヤーの方が見つけてきたものだと思うのだけど、ロゴひとつ入ってない簡素なパックに、パンフレットとかも一切入っておらず。とりあえず食べてみなはれ、という、いくらそのものに全集中しているプリミティブなかんじも気に入った。自然の中で生活していると、よりそういうものに惹かれるのかもしれない。
土鍋で炊きたてのごはんを大きめの丼にいれて、ゆっくりと自然解凍したいくらを1パックまるごと白飯の上に流しかけた。なんとも贅沢なA-TKG(赤い卵かけごはん)である。うーん、美味。ごはんの温度がじわりといくらに移り、少し温かくなった状態の、海の宝石が口の中で弾ける。

北海道産いくら醤油漬

新型コロナの影響で自宅で食事をする機会が増えた人も少なくないと思うのだけど、いろいろな出前やお取り寄せの選択肢がある中、このいくらも1パックあたり約1500円と決してリーズナブルとはいえない。
味だけのことを考えるとデリバリーよりおうちで作ったほうが美味しいし、このいくらと炊きたてのご飯のように調理が必要ないシンプルな組み合わせで食べられるものをチョイスすると、料理の腕の味への影響が少なく、最高級に近い完成度のものがより気軽に自宅で味わえる。お値段的に少し贅沢な海鮮丼をランチにでも食べた気分で取り寄せてみると、街場のお店よりもはるかに美味しいいくら丼を自宅で味わえることに驚く人もいるかもしれない。
今回いくらとあわせて『つきじ治作の水たきセット』も取り寄せたのだけれど、水たきの〆の雑炊にいくらをぶっかけて、という名案を思いついてしまった。
『水たき』と聞くと、鍋料理の中でも大衆に愛される気軽に食べられる部類のイメージがある。名前の通り、水で鶏を炊いて出汁をとりその鍋で具材を煮るだけ、の料理である。カジュアルにも食べられるけど、シンプルな分、突き詰めれば突き詰めるほど奥が深いのもまた言わずもがな。
 僕は行ったことないのだけれど、築地に三菱財閥の創始者の岩崎弥太郎の別邸だったところを買い取って昭和6年に開業した『つきじ治作』という料亭がある。もう90年近い歴史を持つこの料亭の、創業以来の名物料理が水たきだというではないか。しかも作る人が複数になると、提供するたびに味が変わってしまうということで「水たき番」という専任の料理人に創業以来一子相伝で受け継がれているという。それはぜひ一度食べてみたいということで、今回お取り寄せさせていただいたのだった。

つきじ治作 水たき

水たきもまずは鶏だけで。そしてそのあとは料亭で出されているという玉ねぎだけをあわせたスタイルで。水たき番が何時間もかけて阿波尾鶏から煮出す、なんて澄んだスープ、旨い。
それぞれまずはシンプルな本来のかたちで味わい、シンプルとシンプルを組み合わせたときの化学反応を愉しむのも、これまたお取り寄せの楽しみかも、と。雑炊といくらの組み合わせは、ぜひお試しの上、ご自身の舌でご確認を。

山本憲資

profile

山本憲資Sumally Founder & CEO

1981年生まれ。大学卒業後、広告代理店、雑誌編集者を経て、Sumally を起業。スマホ収納サービス「サマリーポケット」が人気を博している。 食のほか、アート、クラシック音楽への造詣も深い。
http://pocket.sumaly.com/

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