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担々麺はご褒美の味
道明寺さくら
グルメブロガー、グルメライター

「自分へのご褒美」をする人って、どれくらいいるのだろうか?
eBay Japan合同会社の「年末の自分へのご褒美と買い物に関する調査」によれば、約4割の人が、年末に自分へのご褒美を買っているという調査結果が出ているようだが、コロナ禍において、その傾向はより強くなっているようだ。

遥か昔、大学を卒業し就職した頃の私にとって、一番のご褒美はちょっと値の張るランチだった。入社した会社の周りには、高級鰻店、高級蕎麦店、フランス料理店など東京屈指の名店があり、美味しいものを食べることにおいてはとても恵まれていた。難易度の高い仕事をやり遂げた時やボーナスが出た時には、会社の同僚たちと一緒に“ご褒美”と称して美味しいランチを食べに行ったものだ。その頃ご褒美ランチとしてよく食べていたのが、政治家や有名人が訪れるという“高級”中華料理店の担々麺だった。

その担々麺は確かランチで1700円くらいだったと記憶している。“高級”担々麺は、学生時代から趣味で食べ歩きをしていて同僚と比べエンゲル係数の高い私にとっても、高嶺の花だった。今日は贅沢をしてもいいぞと思う特別な日か、上司にご馳走をしてもらえる時だけ、その高嶺の花を手にすることができたのだ。

若くして美味しい担々麺の味を知ってしまった私は、自称“担々麺にうるさい女”である。日本における担々麺というのは、本国のそれとは違い、某有名中華料理人が日本人向けにアレンジし、日本に広まった。日本の担々麺は、麺に胡麻、辣油、花椒などを入れたスープを合わせる汁ありだ。それぞれの食材のバランスが店の味を決めるわけだが、そもそも私の担々麺のスタート地点が“高級”中華料理店の味だったため、胡麻と花椒をたっぷり使ったかなりリッチな味わいが好みとなってしまった。

担々麺
「老四川 飄香」担々麺セット
¥5,184(税込)
カートに入れる

その後、「汁なし担々麺」に出会うわけだが、初めて「汁なし担々麺」に遭遇した時、恥ずかしながら、夏向きの冷たい麺だと思っていた。その後、かつて成都で天秤棒を担いで売り歩いた汁のないものが本来のスタイルだと知り、この汁なし担々麺の沼にもハマっていったのである。

そんな自称“担々麺にうるさい女”が、美味しいと思う担々麺がいくつかある。その中の一つが、伝統四川料理の味を日本に伝える『老四川 飄香』の汁なし担々麺だ。器の中を覗き込むと、麺の下には日本人的にいうタレが仕込まれ、上には肉味噌と烏骨鶏のお茶卵が添えられている。「麺をよく混ぜてお召し上がりください」と勧められ、一気に混ぜていくと、がつんと香辛料の香りが広がり、食欲を刺激する。肉が麺に絡み、あれよあれよと口の中に吸い込まれていく。主役はどちらかというと肉よりタレ。複雑な味わいや香りが融合して、食べると、思わず「うひゃぁ〜」と声を発してしまうほど気持ちいい。

老四川 飄香

残念ながら私は本場の担々麺を食べたことがないのだが、店主の井桁良樹氏は、自店の汁なし担々麺は現地のものにかなり近いと胸を張る。美味しいだけでなく、四川山椒を使っているためか、疲れた体も軽くしてくれるほどの爽快感がある。そして不思議なくらい消化がいい。食べた後、中国四千年の歴史ってやっぱりすごいと合点してしまう自分がいる(担々麺の歴史は100年ほどのようです)。

そんな『老四川 飄香』の担々麺が文春マルシェでお取り寄せできる。湯煎で温めるだけなのでとても簡単。「中華総菜セット」なら、海老のチリソース煮やふかひれと金華ハムの黄金スープもセットになっているので、自宅でも豪華な中華料理が楽しめる。

かつて1700円の担々麺が頑張った自分へのご褒美だった私であるが、その頃から○十年経ち少しは成長したのではないだろうか。今年のご褒美は自宅で担々麺を。一緒にお取り寄せしたフカヒレくらいつけたっていいんじゃないか、と納得できる自分がいた。

道明寺さくら

profile

道明寺さくらグルメブロガー、グルメライター

美食をこよなく愛するグルメライター。2007年にスタートしたAmebablog「美食コンシェルジュ 道明寺さくらの美味しい毎日」で、オフィシャルトップブロガーとして、美味しいお店や旅の情報を中心に発信。また、いま知りたいイタリアの情報満載のWEB MAGAZINE「ITALIANITY」、ぐるなび×東京メトロ共同事業の「レッツエンジョイ東京」、日本の「食」と「旅」を楽しみながら、地域の魅力を語り合う「ニッポンごはん旅」に食の専門家として参加。WEB MEDIAなどでグルメ情報を執筆。
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